太陽光発電のブラックボックスとの戦い

太陽光発電設備設置の実践講座を地元新所のあじさいハウスで12月から行っています。

太陽光発電のブラックボックスとの戦い

売電価格が漸減しているので、採算の取れるDIYを模索するということで始めたものですが
もともととても気持ち悪かったソーラーに関するブラックボックス感が徐々に紐解かれてきたので、自分のためにもまとめておこうか、という記事を書きました。

■野立てソーラーへの疑問
野立てのソーラーを単管パイプで作るのであれば、何とかDIYに近い形でやっている例もありますが、野立てそのものに疑問がありました。

50kW未満の低圧線は、高圧線から電柱に設置されたトランスを経て低圧の電圧に落とされ、その電柱から低圧線を経て電気を使う低圧契約ユーザー向けの電気を運びます。

低圧契約でソーラー発電された電気を逆潮流で売電するということは、この電柱のトランスにぶら下がる低圧契約ユーザーの電気にしか使われないというのに、低圧契約で発電された電気は本当に使われているのでしょうか?
山林や農地に設置された野立てのソーラーの周りにそんなに電力需要があるのでしょうか?

電力需要の高いところにはパネル設置スペースがなく、設置スペースに余裕のあるところは電力需要がないという痛し痒し状態ではないかと思えます。

■住宅用ソーラーへの疑問
住宅の屋根に設置するのは、究極の分散型エネルギーで、自分で使う電気を自分で作るという意味で設置目的が真っ当だと思います。
ただ、住宅のソーラー設置は、逆に究極にDIYが不可能な、点検も自分でできないような、事業者だのみの世界ともいえます。
新築の住宅に抱き合わせ販売というしくみに乗って、家が建って足場を外した以降は、一切屋根の上に昇らない前提で、10年間、ノーメンテナンスで何とかもってください、と言っているように思えます。
また、素朴な疑問で、停電して売電できなくなった時には、晴れた日中でもやっと1500Wのコンセントひとつが使えるという電力とのことですが、そんなもので平時には本当に自宅の電力需要の足しになっているのでしょうか?(焼け石に水なのでは)

■設置目的への疑問
売電価格が高かった時代に設置されたソーラー発電設備は多少のオーバースペックにしても売電収入で回収すれば呑み込めるという造りのものが多かったと思います。
20年維持させる意味でいろいろなアンバランス、ひずみが出る可能性があると思います。

それに対して、今売電をやろうとすれば、ある意味健全です。
できるだけ、ソーラー売電に関するブラックボックスを排除して、自前でできることはDIYに近い形でやらないと簡単に設置費用を回収できないからです。

また、今、ソーラーを設置するには設置目的もおのずとまじめに考えます。
利殖のために、ということだけでは設置できないからです。

■講座の経緯
講座2回目に候補地を回って、今回は山林や農地の野立ての設置は見合わせて
実践講座で扱う設置場所は、現在私の農作業の拠点の小屋、仲間内だけの通称「シンジョハウス」の屋根と決めました。

太陽光発電のブラックボックスとの戦い

ここの周りは電力需要もある場所なので、少なくとも売電する意味があります。
さらに、いろいろなことに使える小屋なので、築40年になりますが、小屋を活かして、かつDIYで設置したいということにいたしました。

幸い、講座の参加者にそれぞれ建築関係、電気関係、土木関係に明るい方がそろっているので、築40年の小屋の強度についてブラックボックスにせずに、また簡単に諦めずに議論しております。

■ちょっと前進
今回の講座、9回シリーズの4回を経て設置の目的も徐々にもやもやが晴れてきました。

・10kW以上の余剰売電をする。(通常の住宅用ソーラーの2倍の規模)
・この小屋での電力需要と、売電量のバランスを見せられるようにする。(ブラックボックスの見える化)
・自前でメンテナンスをしていく前提でメンテのDIYも見せられるようにする。(野立てでも住宅でも見せられないものをこの小屋で)
・この小屋を農作業の拠点から地域活性化の拠点に格上げした使い方をすることで発電した電力の有効活用をする。
・ソーラー設置を機会に建物強度を補強し、売電期間の20年を持たせるとともに、地域活性化の拠点としても20年活躍できる建物とする。

次回2/4(土)から後半戦5回シリーズを行います。
ここからの合流も歓迎です。どうぞこちらから。

フェイスブックイベントページ
https://www.facebook.com/events/243283896126139/

以下同じ内容のべた打ち
 地元湖西市新所の地域活動の拠点としていきたい浜名湖岸の小屋の屋根に太陽光発電設備の設置を計画しております。
 この設置のプロセスを、浜松市ソーラーセンターで相談員を務めた矢田祐一氏をナビゲーターに招いて、計画づくりから、設計、施工、運用準備までを講座方式で共有しながら実践する機会を設けたいと思います。
 売電価格が漸減し、発電する電力の価値を最大化し、ライフサイクルコストを最小化する考え方を持たないと設置を有意義なものにはできない、いわば太陽光発電設備の本来の価値と向き合う時代になりました。
 発電した電気を電力会社に売却して収入を得る「売電」と、発電した電気を自分で利用して電気代を節約する「自家消費」のバランスをとりながら、いかに太陽光発電の価値を生み出していくか、一緒に学びましょう。
 通して参加いただくと効果的ですが、各回ごとの参加も可能とします。
 こちらのブログと、収量済み講座に関するイベントページもご覧ください。
http://shinjo.hamazo.tv/
https://www.facebook.com/events/1809444172631147/

○日程・内容
〔第5回〕
2月 4日(土)
・太陽光発電設備の建設工事に必要な資材の選定と手配
・太陽光発電設備の電気工事に必要な資材の選定と手配
〔第6回〕
2月11日(土)
・太陽光発電設備の土木工事実習と点検実習
〔第7回〕
2月18日(土)
・太陽光発電設備の建設工事実習と点検実習
〔第8回〕
2月25日(土)
・太陽光発電設備の電気工事実習と点検実習
〔第9回〕
2月 4日(土)
・太陽光発電設備の試運転(電力売買、自家消費)
・太陽光発電設備の運用点検(電力売買、自家消費)

〇時間:(各回共通) 9:30~16:30(1時間の昼休み)
○会場:静岡県湖西市新所176-3  あじさいハウス(新所東部構造改善センター)
及び必要に応じて現地  ※駐車場あり
○参加費:各回ごと資料代、会場代として 500円を会場で集めさせていただきます。
○申込方法:講座開催日の1週間前までに、メッセージかメール(shinjonatsumeあっとまーくgmail.com)にてお申込みください。
○お問い合わせ:浜名湖ソーラー研究会 担当 夏目和久(090-2136-1076)

終了済み講座内容
〔第1回〕 
平成28年
12月27日(火)
・太陽光で発電するために必要な設備環境について
・太陽光で発電するために必要な設備について(電力充電の場合、自家消費の場合)
・太陽光で発電した電気の使い道について(電力充電の場合、自家消費の場合)
〔第2回〕 
平成29年
1月 9日(月祝)
・太陽光で発電する場合について(場所の選定、発電容量の設定、発電設備の設計)
〔第3回〕
1月14日(土)
・太陽光で発電する場合の設備部品の選定と構築について(土木工事、建設工事、電気工事)
・実際の場所についての条件検討と発電設備設計について(設備費用、設備能力)
・電力売買に必要な設備認定の申請書作成と届出について
〔第4回〕
1月21日(土)
・太陽光発電設備の土木工事に必要な資材の選定と手配
・太陽光発電設備の建設工事に必要な資材の選定と手配


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